これまで私がWebライターの仕事をしている中で、企業向けの記事作成をする機会が多くありました。
一般向けの記事と違い、企業向けの記事は気を付ける点が多くあるため、私が仕事をしている中で気を付けている点を3つ解説します。
これから企業向けの記事を作成する方は、是非参考にしてください。
toB記事とは
toB記事とは、企業向けの記事のことを言います。
具体的には「企業の経営者及び担当者」を読者想定としています。
例えば「システム開発について」の記事であれば、企業の経営者及びシステム担当者が読者想定です。
一般向けの記事とは異なり、より専門的な内容、専門的な知識が必要とされる場合があります。
先ほども例に挙げた「システム開発について」であれば、システム開発の方法であったり、システム開発の用語解説であったり、その分野のより専門的な内容をまとめる記事が多いです。
そのため案件の募集にも類似記事の作成経験が要求される場合があり、一般向けの記事より敷居が高い案件があります。
他にも、単に企業向けの記事というわけでなく、BtoBの記事もあります。
これは企業間の斡旋をおこなう記事のことです。
記事を見た企業が、問題解決のために他企業へ仕事依頼をできるようにする記事を指します。
例えば「システム開発の方法」を記事にします。
システム開発をしたい企業がその記事を読んで、システム開発の方法を知ります。
記事から開発方法を知ったので、その方法でシステムを開発したいと考えた。
しかし自社では開発ができないとわかり、システム開発のためにシステム開発会社へと依頼しようと考えるでしょう。
そういった場合、記事の最後にシステム開発会社へと斡旋できるよう紹介文などを載せておく、あるいは目的に沿った企業のURLを複数載せる、などの方法で企業への斡旋をおこないます。
このように単に企業向けというだけでなく、企業間のマッチングの役割を果たす記事もあります。
ポイント①読者想定を意識しよう
toB記事は、企業の経営者及び担当者が読者想定であるため、何かの目的を達成するために記事を読んでいると仮定できます。
そのため、担当する内容をより深堀した記事を作成する必要があります。
例えば経理担当者が「取引先の入金遅延について」の記事を探しているとします。
その担当者は、実際に業務をおこなっている方なので、その分野においての知識はあるはずです。
しかし自分の知識だけでは業務に支障が出た、あるいは業務上問題が起きたが自分の知識と経験だけでは解決しないためその方法を探している、などが考えられます。
そうした場合、担当する業務に必要な情報から、問題を解決するための具体的な方法や解決事例を基に記事を作成する必要があります。
このように読者想定から読者の状態と目的を仮定し、その目的を達成するためにはどのような情報が必要であるかを考えて記事を作成しましょう。
これは単にtoB記事だけに言えたことではありませんが、企業の担当者はその目的を達成するために役立つ記事を探しているわけですから、その目的を意識することが重要です。
ココがポイント
- 読者想定を意識すると、記事の目的が明確化されるため、目的から記事の内容を選定できるため、記事の方向性を定めることに繋がるぞ!
- クライアントの立場でどうしてこの記事を依頼したのか、クライアントの意図を考えることで記事の目的を把握しやすいぞ!
- 企業向け記事では、企業あるいは実務においてどのような情報が必要であるのかを意識して記事を作成しよう!
ポイント②記事のマニュアルはしっかり守る
企業向けの記事は読みやすく分かりやすい記事が好まれるため「です・ます調」のような固い表現が好まれます。
文末表現の使い方や、文章の書き方の指定など、より細かく指示され記事に反映させなければいけません。
そのためtoB記事作成のクライアントは、記事作成のマニュアルが細かく設定されている場合が多いです。
私がおこなった企業向けの記事では、PDFファイルで7ページ分もあり、マニュアルの内容を覚えるだけでも一苦労でした。
おこなった記事作成は「企業法務について」が題材であり、その記事では文末表現の他にも法律を参照するときの書き方などの指定があったり、特に重要な文の最後は「~することが重要です。」などの内容を強調する書き方の指定がありました。
例えば法律の参照についての書き方は、見出しの最後に「参照サイトと明記した上で、参照サイト名・参照URLを記載する」と指示がされていました。
参照サイト
企業内弁護士に関するアンケート集計結果(日本組織内弁護士協会公式サイト)
https://○○
指示内容がとても多かったため、指示内容を覚えている範囲で気を付けながら記事作成をおこない、記事完成後にマニュアル通りに作成できているかをチェックし修正してから、クライアントに提出するようにしていました。
このように企業向けの記事はこのマニュアルが一般向けの記事に比べ細かく設定されているので、しっかり確認し、記事に反映させましょう。
ココがポイント
- 企業向け記事はマニュアルによって細かい制約がある、しかしそれは企業が見る記事であるため、分かりやすく正確に情報を伝えるためだ!
- マニュアルをしっかり確認し記事に反映させることで、一般向けの記事と企業向けの記事の違いも見えてくるぞ!
- 企業向けの記事は、一般向けの記事と違い文末表現や文章の作り方が指定されていることもあるため、マニュアルから自分の使わない表現を学ぶこともできぞ!
ポイント③データの引用・参照について
記事内容の根拠となるデータの引用・参照については、企業向けの記事に限らずしっかりルールを守りましょう。
企業向けの記事は専門知識が問われる記事が多いため、記事内容の根拠となるデータの引用・参照を利用する場合が多くあります。
そうした場合、企業の担当者が参考になるよう、最新のデータであることが好ましいです。
いつのデータであるか、どこからの引用・参照であるかしっかり表記し、正確な情報を伝えることを心がけましょう。
法律などのデータを引用する際は、法律名~条~項のようになるべく細かく正確に表記する必要があります。
引用・参照については、企業向けの記事に限らずルールがありますが、特に企業向けの記事ではマニュアルに書き方のルールが細かく指示されている場合があるため、しっかり守り記事に反映させましょう。
データの引用元のURLの貼り付けについてや、参照したデータの書き方など、クライアント毎にルールが決められている場合があるため、マニュアルをしっかり確認しましょう。
例えば、1つ目のクライアントでは参照した内容であることが分かるように見出しの最後に参照URLを記載し、別のタブで開くように設定させておくと指示があり、2つ目のクライアントでは参照サイト名、参照URLの記載するのみでよいと指示がされていたり、とクライアントにより様々ありました。
どちらも基本として参照した内容であることは表記する必要がありましたが、その記載方法や、文章内のどこに記載するか、記載したURLの設定などが異なります。
以上のように、細かいルールはクライアントごとに違うため、マニュアルをしっかり確認しましょう。
ココがポイント
- 引用・参照はその基となる情報を正確に表記することが大前提だぞ!
- その上でクライアントごとの指定をしっかり守ろう!
- 表記方法はクライアントにより様々なので、しっかり確認し記事に反映しよう!
ToBの記事とそれ以外の記事
以下に今回受注したToBの記事の特徴とそれ以外の記事と比較し、表にしてまとめました。
今回受注したToBの記事 | それ以外の記事 | |
クライアントの特徴の違い | 専門性の高い質問でも、しっかり対応してくれる | 記事作成はライターまかせで、そこまで詳しくないクライアントもいる |
マニュアルの違い | ターゲットや記事の掲載先が明確になっている | 具体的なターゲットはライターが想定することが多い |
クライアントとのやり取りの違い | 構成案の作成後クライアントに提出が必要であった | 完成した記事のみ提出する場合が多い |
受注や納品の違い | 自分以外にも契約者有、他の契約者の依頼内容も最低限の確認が必要 納品はWord | 基本的に自分以外の契約のことは明かされない 納品方法はクライアントによりけり |
作成難易度 | その他に比べて難易度高め | 題材によりけりだが、専門知識が必要でなければ低め |
まとめ
以上、Webライターの記事作成における企業向け記事を作成する際に気を付けることをまとめました。
企業向けの記事は一般向けの記事と違い、固い内容、固い文章が多く、書き方がしっかりマニュアルに指示されている場合が多いため、クライアントの意図を正確に把握する必要があります。
またBtoBの記事は、行動喚起の記事が要求されるため、注意が必要です。
記事の内容から、読者が行動に移るような、魅力のある記事作成を心がけましょう。
読者想定をしっかり意識し、読者の目的やクライアントの意図をしっかり考え記事作成をすることが大切です。